失敗しないWi-Fiルーターの選び方!見るべきポイントをご紹介
公開日:2025/02/14

Wi-Fiルーターは、インターネットが浸透している現代の暮らしに欠かせないものとなりました。しかし、各メーカーからさまざまな種類のWi-Fiルーターが発売されていて、どのような基準で選べばよいかよくわからないという方も多いでしょう。
本記事では、Wi-Fiルーターの選び方のポイントや便利な機能、さらにメーカーごとの特徴についてまとめています。これからWi-Fiルーターを選ぶ方や買い替え予定の方は、本記事で解説したポイントを参考に選んでみてはいかがでしょうか。
Wi-Fiルーターとは?

PCやタブレット、スマートフォンやゲーム機などを無線でLAN(Local Area Network)に接続する技術を「Wi-Fi」といいます。このWi-Fiに対応する機器をインターネットに接続する機器が「Wi-Fiルーター」です。
詳しくは、以下の記事もあわせてご確認ください。

Wi-Fiルーターの役割とは?光回線に合ったルーター選びのポイントもご紹介
Wi-Fiルーター選びのポイント
数多くのWi-Fiルーターが販売されていますが、どのようなWi-Fiルーターを選択したらよいのでしょうか。
選ぶ際の主なポイントは「通信規格」「家の間取り」「同時接続数」「価格」「その他」の5点です。それぞれの項目について、順を追って解説します。
1.通信規格
Wi-Fiルーターには「IEEE 802.11〜」といったような文字列が記載されています。この文字列はWi-Fiの規格を表しているものです。具体的にどんな規格があるか、以下の表にまとめました。
規格名 | 新名称 | 周波数帯 | 最大通信速度※1 |
---|---|---|---|
IEEE 802.11be | Wi-Fi 7 | 2.4GHz/5GHz/6GHz ※3 | 46Gbps |
IEEE 802.11ax | Wi-Fi 6E | 2.4GHz/5GHz/6GHz ※2 | 9.6Gbps |
IEEE 802.11ax | Wi-Fi 6 | 2.4GHz/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE 802.11ac | Wi-Fi 5 | 5GHz | 6.9Gbps |
IEEE 802.11n | Wi-Fi 4 | 2.4GHz/5GHz | 600Mbps |
- ※1 最大通信速度はあくまで理論での最大値となり、実測値とは異なります。
- ※2 それぞれの周波数帯に対応でき、自動で周波数帯を切り替えて接続してくれます。
- ※3 それぞれの周波数帯に対応し、自動で周波数帯の切り替え接続ができ、かつ一部の機器(マルチリンク対応機器)では3つの周波数帯に同時接続ができます。
なお、通信規格は上から順に新しいものとなっており、世代が新しいほど通信速度も速くなります(新名称「Wi-Fixx」の「xx」部分の数字が大きい方が新しい世代です)。Wi-Fiルーターは、買い替える頻度が高いものではありません。そのため将来を考えて、できるだけ新しい規格のものを選択するとよいでしょう。今後、より高速なインターネット回線や、それに対応する新しいスマートフォンやPCなどを購入した際にも、ルーターが原因で通信速度に不満が出るといったことが起きづらくなります。
なお、周波数の2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯はそれぞれ異なる性質のもので、原則として互換性はありません。設置する場所や電子レンジなど、ほかの家電との周波数帯の兼ね合いもあるため、複数の周波数帯に対応しているWi-Fiルーターを優先して選ぶのがおすすめです。
2.家の間取り
家のどこにいても快適なWi-Fi通信ができるようにするためには、住んでいる家の間取りも重要なポイントです。
間取りには、一人暮らし向けのワンルーム、部屋が複数あるファミリー向けマンション、一戸建てとさまざまなタイプがあります。Wi-Fiルーターには、製品それぞれに電波を飛ばせる範囲の目安があるため、居住環境に合った適切なものを選びましょう。
なお、メーカーが提示する広さの目安は、Wi-Fiルーターを家の中心に置くことを想定したものです。Wi-Fiルーターを置く場所が家の隅になるケースでは、実際の間取りより大きめの間取りに対応したWi-Fiルーターを選ぶとよいでしょう。
3.同時接続数
Wi-Fiルーターは、製品ごとに接続できる機器の台数に限りがあります。また、接続可能台数の上限に達していなくても、多くの機器を接続しているとインターネットの速度が遅くなるケースもあるため注意しましょう。同居家族が多い場合は、同時接続数も多くなりがちです。
一人暮らしであっても同時に接続するデバイスが6〜7個あるといった方も少なくないでしょう。PCやスマートフォンのほか、ゲーム機、スピーカーなどのスマート家電をWi-Fiで接続しているケースが多くみられます。その場合、一人暮らし向けに機能が絞られたものより、同時接続数の多い高性能なルーターを選んだほうがよいでしょう。
Wi-Fiルーターを購入する前に、接続する予定のデバイス数を確認しておき、通信速度が遅くならない性能のWi-Fiルーターを選ぶことも重要なポイントの1つです。
4.価格
Wi-Fiルーターを価格で選ぶという方も少なくないでしょう。一般的にWi-Fiルーターは、前述の「規格」や電波が届く範囲などの「スペック」によって価格帯が変わってきます。
特に自宅が広い場合は、家のどこにいても快適な通信環境を整えるためにも、ルーターの予算を多めに見積もっておく必要があるでしょう。
また、自分でWi-Fiルーターを購入しなくても、プロバイダによってはルーターをレンタルできるサービスがあります。レンタルするケースでは契約プランによっても料金が変動します。そのため、自分で購入するかプロバイダからレンタルするかは、利用する期間やプロバイダごとの料金など、トータルでかかる費用を見越したうえで検討するのがおすすめです。
5.その他
インターネットの利用状況によって、おすすめのWi-Fiルーターは異なります。例えば、ワンルーム一人暮らしでも、高速通信を必要とするオンラインゲームをよくプレイする場合には「ゲーミングルーター」などの高性能なルーターを選ぶとよいでしょう。ゲーミングルーターは、オンラインゲームなどの高速通信処理が可能なCPUを搭載しており、4K動画の再生にも適しています。
また、現在利用しているWi-Fiルーターが「WPS」という規格に対応していれば、新しくルーターを設置する際、ボタン1つで設定可能です。利用状況をそのまま引き継ぐ「引越し機能」が利用できる機器もあります。引越し機能はルーターのメーカーが異なっていても有効なため、細々した手続きが省略できることは大きなメリットでしょう。
この他、リモートワークの多い方や、自宅でインターネットを使う自営業の方には、セキュリティが強固なWi-Fiルーターを選ぶことも検討しましょう。一例として「WPA3」というセキュリティ規格対応の機器であれば、暗号化による通信の傍受や盗聴防止、サイバー攻撃からの防衛に役立ちます。
Wi-Fiルーターにあると便利な機能

続いては、Wi-Fiルーターにあると便利な機能をご紹介します。Wi-Fiルーターを選ぶ際のポイントにもなるでしょう。
ここでは「ビームフォーミング」「MU-MIMO」「IPv6対応」「バンドステアリング/オートチャネルセレクト」の4つの機能を詳しく解説します。
1.ビームフォーミング
ビームフォーミングとは、通常は球体のように広がって飛んでいるWi-Fiの電波を、特定の機器へ向けて飛ばせる技術のことです。電波の方向を操作することで、特定のデバイスを優先して通信を安定させたり、ほかの家電の電波が干渉するのを避けられたりといったメリットがあります。 ただし、Wi-Fiルーターとデバイスの両方がビームフォーミングに対応していなければならない点は留意しておきましょう。といっても、iPhoneであれば2014年発売の「iPhone 6」以降なら基本的に対応しているため、最近の機器であればそこまで心配する必要はありません。
2.MU-MIMO(マルチユーザーマイモ)
MU-MIMO(マルチユーザーマイモ)は、一部のWi-Fiルーターに備わっている機能です。通信速度を高速化することで複数の機器を同時に接続しても通信速度が落ちず、安定した通信を可能にするものです。通信の高速化・安定化を両立させた技術であるMIMO(マイモ)をさらに強力にしたものになります。
ただし、Wi-Fiルーターとデバイスの両方がMU-MIMOに対応している必要があるため注意しましょう。特に、スマート家電を含む多くの機器を接続する方は、それぞれの機器がMU-MIMOに対応しているかを確認する必要があります。
3.IPv6対応
IPv6とは、IPv4に続く新しいインターネットプロトコルです。インターネットプロトコルとは「インターネットで通信を行う際の決まり事」を指します。IPv6の特徴は、利用者が多いIPv4とは異なる接続方式のため、回線の混雑を避けられることです。これにより、夜など回線が混雑しやすい時間帯でもインターネットを快適に利用できます。
回線速度の低下が気になる方は、購入したいWi-FiルーターがIPv6に対応しているかをチェックしておきましょう。
4.バンドステアリング/オートチャネルセレクト
バンドステアリングは、Wi-Fi接続に使用する2つの周波数帯(2.4GHz帯または5GHz帯)のうち、より通信の状態が良好な方へ自動で切り替える機能です。メーカーによっては「オートチャネルセレクト」と記載されているケースもありますが、この2つは概ね同一の機能です。
2.4GHz帯と5GHz帯では、通信速度や快適に利用できる距離などが異なります。接続する周波数帯を手動で変更することもできますが、手間がかかるため、この機能が搭載されたルーターを使用するのが便利でおすすめです。
メーカー別特徴

Wi-Fiルーターをメーカー別にみると、どのような違いがあるのでしょうか。ここからは、主要なメーカー別にWi-Fiルーターの特徴をまとめています。具体例として「バッファロー」「NEC」「エレコム」「TP-LINK」をピックアップしてご紹介します。
バッファロー
株式会社バッファローは、日本のコンピューター周辺機器メーカーです。1975年に音響機器メーカー「メルコ」として創業し、2003年に現在の社名に変更されました。
バッファロー社のWi-Fiルーターの特徴は、ボタンを押すだけで設定できる「AOSS機能」や、中継機を利用してWi-Fi通信を広げられる「独自メッシュ機能」などがあることです。また、セキュリティを強化した「ネット脅威ブロッカー」搭載のモデルも存在しています。
初期設定のしやすさ、一人暮らし向けから戸建て向けまでモデルが充実していることから、初めてWi-Fiルーターを買う際にもおすすめできるメーカーの1つです。
NEC
NECは、住友グループの電機メーカーで、正式名称は「日本電気株式会社」です。1899年に設立された外資系企業のはじまりともいえる歴史あるメーカーで、手がける事業もIT関係から社会インフラ、近年では生成AIと多岐にわたります。
NECのルーターの特徴は、NEC独自の技術による高速通信や広範囲にWi-Fiを届けるハイパワーシステムです。また、デザインの面でもアンテナ内蔵型のすっきりとした見た目は魅力の1つでしょう。NECのWi-Fiルーターの中には、6GHz帯に対応したモデルもあり、オンラインゲームや4Kストリーミングなどを楽しみたい方はぜひチェックしてみてください。
エレコム
エレコム株式会社は、1986年に創業した日本の電気機器メーカーです。他社と比較すると新しいメーカーですが、外付けHDD/SSDのロジテックや、テレビアンテナのDXアンテナなどを子会社に持つ大手企業です。
エレコムのルーターは、2022年10月の時点で全モデルが「IPv6 IPoE」方式に対応しています。他にも中継機になるモデルがあることや、コストパフォーマンスの良さが特徴です。似たデザインでもスペックが大きく異なるため、購入時にはパッケージや説明をよく確認するとよいでしょう。
TP-LINK(ティーピーリンク)
TP-LINK(ティーピーリンク)は、1996年に設立したアメリカのカリフォルニア州に本部を置くグローバル企業です。TP-LINKのWi-Fiルーターの特徴は、世界トップクラスのシェア率にあるでしょう。また、スタイリッシュで洗練されたデザインも印象的です。
一般的な購入は公式ウェブサイトを介する必要があるため、店頭で実機を確認するのは難しいかもしれません。また、接続方法も提供するプロバイダによって異なる点が多い製品となっています。拡張性が高くさまざまなニーズに対応可能なTP-LINKのWi-Fiルーターを使いこなすには、ある程度のインターネットに関する知識が必要でしょう。
その他のメーカー
Wi-Fiルーター選びにおいて、見聞きする機会が多いメーカーとしては「ASUS(エイスース)」や「IODATA(アイオーデータ)」も挙げられます。ASUSは台湾のメーカーで、IODATAは石川県金沢市に本社をおく日本のメーカーです。
ASUSの製品は、広い家でもWi-Fiを快適に使えるようにする、独自のメッシュWi-Fi技術を搭載しています。また、ビームフォーミングやMU-MIMOに対応したモデルを多く展開していることが特徴です。
IODATAの製品はWPSに対応しており、ルーターに付属しているQRコードを読み込むだけで接続設定が可能な「QRコネクト」という機能が特徴です。
光回線なら@T COM(アットティーコム)ヒカリ
Wi-Fiルーターとあわせて光回線の契約や乗り換えを検討しているなら、TOKAIコミュニケーションズが提供する光回線「@T COM(アットティーコム)ヒカリ」がおすすめです。
NTT東日本・西日本のフレッツ光回線を利用しているため、全国どこでも安定して通信できることが特徴で、IPv6にも対応しています。また、格安SIMサービス「LIBMO(リブモ)」とのセット割がある点もうれしいポイントです。
まとめ
Wi-Fiルーターを選ぶ際は、3つの通信規格・家の間取りや同居家族の人数・デバイスの同時接続数・価格といったポイントがあります。高いセキュリティを実現したモデル・IPv6に対応し回線の混雑を回避できるモデル・オンラインゲームをプレイする方向けのゲーミングルーターなどのモデルもあります。
Wi-Fiを快適に利用するには、これらのポイントをふまえ、ご自身の環境にあわせて選ぶことが重要です。加えてWi-Fiルーターは、自分で購入する以外に、契約しているプロバイダからレンタルできるプランもあります。
この機会に、ご契約中のプロバイダの見直しやプロバイダの乗り換えを検討してみてはいかがでしょうか。
- 本記事の情報は2024年11月時点のデータに基づくものです。