光回線にも実は種類がある!それぞれの特徴について一覧で解説
公開日:2024/08/19

光回線にはさまざまな種類があることを知っていますか?「フレッツ光」はよく聞くかもしれませんが、「光コラボレーション」「ダークファイバー」さらに「電力会社系」といった言葉は聞きなれない言葉かもしれません。
光回線はスマートフォンのモバイルネットワークと違って気軽に乗り換えはできません。導入の際は、光回線の種類とそれぞれの特徴をよく理解した上で決めることが大切です。
また、地域や住まいの状況などにより、利用可能な光回線の種類が異なります。自宅でどの種類の光回線を導入できるのか把握しておくことも必要です。
本記事では光回線の種類とそれぞれの特徴について解説します。
光回線の種類の定義について

本記事において、光回線の種類というのは回線の提供方式と、集合住宅などにおける回線の配線方式のことを指します。
回線の提供方式というのは、通信で使用するインフラ(インフラストラクチャー:通信設備)の違いのことです。提供方式が異なる光回線は、それぞれが別のインフラを使用して通信しています。なお、NTTの回線と光コラボレーションは厳密には同一のインフラですが、契約先が別々です。インフラそのものは同じでも提供元が異なるため、NTTの回線とは別種類として扱っています。
また、配線方式というのは、集合住宅で各部屋に回線を配線する方法のことです。戸建て住宅の場合には特に関係はありません。
光回線の種類:提供方式(契約先)の違い

光回線は提供方式(契約先)で分けてみると、次の4種類に分類できます。
- フレッツ光
- コラボレーション
- ダークファイバー系
- 電力会社系
このうちNTTのフレッツ光と光コラボレーションは全国で利用可能です。ダークファイバー系と電力会社系は利用可能なエリアが限られています。
それぞれの光回線の種類について詳しく見ていきましょう。
NTTが提供する回線「フレッツ光」
フレッツ光は古くから提供されている代表的な光回線です。では、フレッツ光の概要とメリット、デメリットについて見ていきましょう。
- 概要
- フレッツ光は、エリア別にNTT東日本とNTT西日本が提供しています。利用可能なエリアは全ての都道府県です。
最大通信速度はプランによって異なりますが、1Gbpsのプランがメインです。一部のエリアでは10Gbpsのプランも提供されており、通常よりも安い料金で利用できる100~200Mbpsのプランもあります。
ただし、これはフレッツ光に限りませんが、回線速度はあくまで理論上の最大値です。実際に利用する中で、最大値までの速度が出ることは通常ありません。
- フレッツ光のメリット
- フレッツ光は、全国どの都道府県でも利用できるのがメリットです。人口の少ない地方だと、どうしても選択肢が限られてしまいますが、フレッツ光なら利用できます。
最大通信速度が10Gbpsのフレッツ光クロスというサービスを利用できるのもメリットです。ただし、現在ではまだ都市部を中心に一部のエリアに限られています。今後は次第に対象エリアが広がる可能性が高いです。
また、NTT東日本とNTT西日本は、非常に知名度が高く、運営元の信頼性が高いため安心できると感じる人もいるでしょう。
- フレッツ光のデメリット
- フレッツ光のみを契約するだけでは、インターネットに接続することができません。フレッツ光はあくまで光回線のみのサービスです。インターネットに接続するためには、回線とは別にプロバイダも探さなければなりません。
プロバイダと契約すると、フレッツ光の料金とは別に請求が来ます。支払いが別々になるため、管理がやや面倒になる点がデメリットです。また、フレッツ光の料金とプロバイダ料金を合計すると、原則的に、後述する光コラボレーションより割高になってしまいます。
困りごとがあるときにも、フレッツ光とプロバイダのどちらに問い合わせるか迷ってしまう人もいるでしょう。
事業者が多い「光コラボレーション」
光コラボレーションは、多くの通信会社が提供している光回線サービスです。では、光コラボレーションの概要やメリット、デメリットについて見ていきましょう。
- 概要
- 光コラボレーションは、自社で回線設備を保有していない事業者が、NTT東日本とNTT西日本から回線を借りて提供しているサービスです。2015年にNTT東日本とNTT西日本が、光回線の卸売を始めたことで提供されるようになりました。現在では多くの事業者が光コラボレーションに参入しています。
代表的な事業者としては、@T COM(アットティーコム)やSoftBank、NTTドコモ、楽天、BIGLOBE、DTI、OCNなどが挙げられます。
光コラボレーションを利用可能なエリアは、各事業者によって異なります。フレッツ光と同様に47都道府県全てで利用可能な事業者も多いです。回線速度に関しても、基本的には最大通信速度は1Gbpsです。一部のエリアに限定して10Gbpsのプランを提供している事業者もあります。
- 光コラボレーションのメリット
- 光コラボレーションは、光回線とプロバイダがセットのサービスです。そのため、フレッツ光と異なり、プロバイダを別途探して契約する必要はありません。光コラボレーションに申込みをして契約すれば、インターネットを利用できるようになります。
料金の請求や支払いも1社のみです。月額料金も、プロバイダと別々に支払うフレッツ光と比べて安く済みます。独自のキャンペーンを多く実施しており、お得に利用開始できる点もメリットです。
- 光コラボレーションのデメリット
- 光コラボレーションは、サービスを提供している事業者が多いため、優良な事業者とそうでない事業者の差が大きいです。中には電話などでしつこく勧誘してくる事業者もいます。勧誘されて、あまり良くない事業者と契約してしまうこともあるでしょう。
キャンペーンが豊富な反面、申込みの経路によっては適用されない場合もあるのもデメリットです。例えば、Webからの申込みだと適用されて、家電量販店などで申込みをした場合には適用されない場合などもあります。契約の際に注意しなければならず、やや面倒です。
一部の事業者が独自提供する「ダークファイバー系」
ダークファイバー系という言葉はあまり聞き慣れない名称かもしれませんが、光回線の一種です。「ダーク」と付いていますが、決して怪しいものではありません。では、ダークファイバー系の概要やメリット、デメリットについて見ていきましょう。
- 概要
- ダークファイバーとは、もともとNTT東日本とNTT西日本が敷設した回線ですが、フレッツ光では使用していない回線です。もともとは予備回線として敷設されました。
このダークファイバーが一部の事業者に貸し出されており、その通信会社が独自回線の光回線としてサービスを提供しているのが、ダークファイバー系の光回線です。
現状、ダークファイバー系の光回線サービスを提供している事業者は限られており、auひかりとNURO光の2社しかありません。利用可能なエリアも一部の都道府県にとどまります。
通信速度に関しては、基本的にフレッツ光や光コラボレーションと変わりません。
- ダークファイバー系のメリット
- ダークファイバー系の光回線は、利用者が少ないため混雑しにくいのがメリットです。最大通信速度はフレッツ光や光コラボレーションと同じでも、実際の通信速度が安定しやすい傾向にあります。
また、独自のキャンペーンなどを展開していることが多いのも、ダークファイバー系のメリットです。キャンペーンを上手に利用すれば、工事費用や毎月の月額料金を安く抑えられるでしょう。
- ダークファイバー系のデメリット
- ダークファイバー系の光回線は、どのエリアでも利用できるわけではありません。利用可能なエリアが限られているのがデメリットです。住んでいるエリアによってはダークファイバーを利用したくてもできないこともあるでしょう。サービスの提供事業者も2社しか選択肢がありません。どちらか一方しか利用できないエリアもあります。
また、auひかりとNURO光なら全てダークファイバーというわけではありません。エリアによってはダークファイバーでない場合もあります。
電力会社が提供する「電力会社系」
電力会社系というのは、電力会社が提供している光回線サービスです。では、電力会社系の概要とメリット、デメリットについて見ていきましょう。
- 概要
- 電力会社系の光回線サービスは、電力会社が電力の供給のために敷設した回線を使用している独自回線のサービスです。全ての電力会社が提供しているわけではなく、光回線サービスを提供している電力会社はごく一部にとどまります。また、光回線サービスを提供できるのはその会社が電力を提供しているエリアのみです。そのため、利用可能なエリアは限られています。
通信速度に関しては、最大で1Gbpsのところが多く、5Gbpsや10Gbpsのプランを提供しているところもあります。
電力会社系の光回線サービスを提供している事業者と利用可能な都道府県を一覧にすると次の表の通りです。
電力会社 | サービス名 | 利用可能な都道府県 |
---|---|---|
関西電力 | eo光 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、福井県 |
中部電力 | コミュファ光 | 愛知県、岐阜県、三重県、静岡県、長野県 |
中国電力 | メガエッグ | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 |
四国電力 | ピカラ光 | 香川県、徳島県、高知県、愛媛県 |
九州電力 | BBIQ光 | 福岡県、長崎県、佐賀県、大分県、熊本県、宮崎県、鹿児島県 |
- 電力会社系のメリット
- 電力会社系の光回線も、ダークファイバー系と同様に利用者はあまり多くありません。そのため回線が混雑しにくいのがメリットです。高速で安定性が高く、快適に通信できます。
また、電力会社系も独自のキャンペーンや割引サービスを実施していることも多いです。例えば電気とセットで利用することで割引になるところなどもあります。
大手電力会社は知名度が高く、安心できると感じる人も多いでしょう。
- 電力会社系のデメリット
- 電力会社系の光回線は、利用可能なエリアが狭いのがデメリットです。
光回線サービスを提供している電力会社は西日本に集中しており、東日本では利用できるところがほとんどありません。また、電力会社系の光回線を利用できるエリアでも、複数の中から選択することができないのもデメリットです。住んでいる地域によって、利用可能な光回線が1つに決まってしまいます。
光回線の種類:配線方式の違い

マンションやアパートなどの集合住宅では、建物に光ファイバーケーブルが配線され、そこからさらに各部屋に配線される仕組みです。各部屋への配線方式はマンションやアパートによって異なります。
どのような配線方式があるのか、それぞれの特徴とともに見ていきましょう。
光配線方式
光配線方式は、各部屋への配線に光ファイバーケーブルを使用する方式です。各部屋には光コンセントが設置されており、ONUと接続して使用します。
光配線方式のメリットとデメリットについて見ていきましょう。
- 光配線方式のメリット
- 光配線方式では、通信の品質が高く混雑しにくいのがメリットです。戸建て住宅で光回線を使用するときと大きく変わらない速度で通信できます。
オンラインゲームやオンラインミーティングなどをするときにも、途切れにくく快適に利用できるでしょう。
築年数の浅いマンションでは、光配線方式が利用されているところが多い傾向にあります。
- 光配線方式のデメリット
- 光配線方式を利用するには、建物の構造上の制限があります。そのため、どのマンションやアパートでも利用できるとは限りません。特に古いマンションやアパートでは光配線方式を利用できないところが多いです。
また、光配線方式ではONUを使用しなければなりません。設置する機器や配線が多くなってしまうのもデメリットです。
LAN配線方式
LAN配線方式は、各部屋に配線する際にLANケーブルを使用する方法です。各部屋には、LANコンセントが設置されており、LANケーブルでWi-FiルーターやPCなどと接続すれば、インターネットを利用できます。ではLAN配線方式のメリットとデメリットについて見ていきましょう。
- LAN配線方式のメリット
- LAN配線方式では、各部屋に配線する前の段階で既に光信号からデジタル信号に変換されています。そのため、各部屋ではONUを使用する必要がないのがメリットです。設置する機器も配線も少なく済みます。PCの周りがスッキリするでしょう。
また、光配線方式を利用できない構造のマンションやアパートでも、LAN配線方式なら利用できることも多いです。
- LAN配線方式のデメリット
- LAN配線方式を利用している場合には、光配線方式と比べて速度や安定性がやや落ちるのがデメリットです。混雑している時間帯には、普段よりも通信速度が遅くなったり不安定になったりする可能性もあります。これまでマンションや戸建て住宅で光回線を使っていた人にとっては、やや遅いと感じることもあるかもしれません。
VDSL配線方式
VDSL配線方式は、各部屋に配線する際に電話回線を使用する方法です。各部屋にはモジュラージャックが設置され、モデムを介してWi-FiルーターやPCなどに接続します。
では、VDSL配線方式のメリットとデメリットについて見ていきましょう。
- VDSL配線方式のメリット
- VDSL配線方式は、光配線方式やLAN配線方式を導入できないマンションやアパートでも導入できることが多いのがメリットです。電話回線を引き込んで配線するだけのため、古いマンションやアパートでよく利用されています。 VDSL配線方式の賃貸物件の場合、家賃が安いことが多いのもメリットです。
- VDSL配線方式のデメリット
- VDSL配線方式では、共用部分まで光ファイバーケーブルで通信していても、各部屋に配線する前の段階で光信号をアナログ信号に変換しています。そのため、各部屋に配線する際に通信速度が大幅に落ちてしまうのがデメリットです。LAN配線方式よりもさらに遅くなってしまいます。
また、各部屋にモデムを設置しなければならない点もデメリットです。
今の家で契約できる回線の確認方法

これから光回線を契約するなら、現在住んでいる家でどのタイプの光回線を利用できるのか確認する必要があります。
提供方式ごとに見ると、フレッツ光ならどのエリアでも利用可能です。光コラボレーションも全国で利用できる事業者がいくつかあります。一方、ダークファイバー系と電力会社系は、一部のエリアでしか利用できません。
また、マンションやアパートなどの配線方式は、光コンセントやLANコンセントの有無で確認できます。
光回線の敷設状況を調べる方法について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

このマンションで光回線は使える?光回線の工事状況の確認方法
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まとめ
光回線は提供方式の違いにより、フレッツ光と光コラボレーション、ダークファイバー系、電力会社系の4種類に大別できます。このうちフレッツ光と光コラボレーションは全国で利用可能です。ダークファイバー系と電力会社系は一部のエリアのみでしか利用できません。
集合住宅での配線方式に関しては、光配線方式とLAN配線方式、VDSL配線方式の3種類があります。もっとも速くて安定性も高いのは光配線方式で、次いでLAN配線方式です。VDSL配線方式は、もともとの速度が遅い上に、混雑に弱くやや不安定になることもあります。
光回線を契約する際には、それぞれの特徴をよく理解した上で選ぶようにしましょう。
- 本記事の情報は2024年7月時点のデータに基づくものです。