光回線(光通信)の仕組みとは?高速で通信できる理由を解説
公開日:2025/02/14

インターネット回線と聞いて多くの方が思い浮かべるのは「光回線」ではないでしょうか。以前は「ADSL回線」が主流でしたが、NTT東日本および西日本より、2022年3月2日の報道発表資料にて本サービスの提供終了が公式発表されました。
既に、多くの家庭やビジネスの場において、高速通信が可能な光回線は普及しています。しかし、その仕組み自体については、よくわからないという方も少なくないでしょう。
この記事では、なぜ光回線が高速通信を実現しているのか、その仕組みについて解説します。
参考:
一部エリアにおける「フレッツ・ADSL」の提供終了日変更について|NTT東日本
一部エリアにおける「フレッツ・ADSL」の提供終了日変更について|NTT西日本
光回線は光ファイバーケーブルを利用した通信

光を通す性質を持つ「光ファイバー」を利用することで、光回線は従来のADSL回線以上の高速通信を実現しています。また、電磁波の影響を受けづらいという光ファイバーの性質により、安定した通信が可能です。
光回線は、インターネットを提供するプロバイダとONU(光回線終端装置)をつなぐ役割を担っており、図にすると以下のような形となります。

上の図における光回線の部分に光ファイバーが使用されており、プロバイダが提供するインターネットを高速かつ安定した状態でご家庭やビジネスの場などに届けているのです。
なお、プロバイダについては以下の記事で詳細に解説しているので、あわせてご覧ください。

インターネットに必要な“プロバイダー”って何?初心者でも分かるように解説します
光回線の仕組み

光回線による通信の概要に続いて、光回線の仕組みについても見ていきましょう。光回線を利用している方でも、仕組みについては深く理解していない方も多いのではないでしょうか。ここでは、大きく「光ファイバー」と「増幅器」に分けて解説します。
光の点滅で情報を伝達
光通信を世界で初めて電気装置を用いて実行したのは、電話の発明家として知られるアレクサンダー・グラハム・ベルとされています。彼が発明した「フォトフォン」と呼ばれる通信機は、鏡を利用して変調された光によって音声を伝達します。電線によって音声を伝達する電話とは、その点が異なるものです。ベルとその助手であるチャールズ・サムナー・テンターは、この実験で、約200m離れた場所まで音声を伝達させることに成功しました。
ベルの実験では、光の変調、言い換えると光の点滅によって遠く離れた場所同士での通信を可能としています。「0と1という二進法から成るデジタルデータの通信」に関しても、光の点滅を用いることで通信が可能です。デジタルデータは電気や光によって伝達されますが、光の点滅を用いる光通信は、従来の電気通信よりもはるかに速い速度での通信を実現しています。この高速通信において重要なのが、次に紹介する「光ファイバー」と「増幅器」です。
- 光の伝送技術①光ファイバー
- 光ファイバーとは、石英ガラスや高性能プラスチックなどによって構成されたケーブルです。銅線によって構成されているメタリックケーブル(従来の電話機にて使用・普及していた)に比べると、信号同士の干渉や電磁波による外部からの影響に強い特徴があります。数十km~数百kmという長距離通信でも中継を必要とせずに伝達可能です。光学繊維とも呼ばれ、1本1本が非常に細いケーブルを束ねて外部をコーティングすることで、大容量の通信を高速かつ安定した状態で行うことが可能です。
光ファイバーは、光データ信号を伝達する「コア」と、コアを包む「クラッド」、保護の役割を担う「コーティング」によって構成されています。クラッドに包まれたコア内を、光が屈折を繰り返しながら進むという仕組みです。
なお、光ファイバーと光回線は「繊維そのもの」と「光ファイバーを含む要素を用いた機能」に分けられます。厳密には異なるものですが、同じ意味合いで表現されることも多いのが現状です。
光ファイバーについては、以下の記事でも触れているためあわせてご覧ください。

光回線とは?他の回線との違いは?種類、メリット、デメリット、選び方のコツを紹介
- 光の伝送技術②増幅器
- 従来のメタリックケーブルを使用した通信に比べて、光ファイバーを用いた通信は長距離間での高速通信が可能です。しかし、光ファイバーにも限界があり、距離が長くなればなるほど光が減衰してしまいます。この減衰を補う役割を担うのが光増幅器です。
減衰によって弱まった光は、光増幅器によって特定の波長の光=励起光(れいきこう)と合成されます。エルビウムという物質が組み込まれた光ファイバー内に放出されることで、再び強い光信号へと変換されます。なお、励起(れいき)とは「量子力学において原子や分子が外からエネルギーを与えられ、元のエネルギーの低い安定した状態からエネルギーの高い状態に移ること」です。
このように、光ファイバーと光増幅器(エルビウム添加光ファイバー増幅器)の双方を活用することで、高速かつ安定した通信を長距離間で実行できるのです。
従来のADSL回線との比較
光回線が普及するまでは、ADSL回線の利用が一般的でした。現在では、光回線の利用者が増えています。ADSLと光回線には、どのような違いがあるのでしょうか。ここでは、ADSL回線の仕組みについて、光回線と比較しながら見ていきましょう。
ADSLとは?通信の仕組みを解説
ADSL(非対称デジタル加入者線)は、1999年から提供されてきた通信サービスです。従来使用されていたアナログ電話回線において、使用されていなかった高周波数帯を利用することで、電話とインターネットの双方を同時利用できるようになりました。なお、非対称デジタル加入者線の「非対称」とは通信速度における「上り(アップロード)/下り(ダウンロード)」を意味しています。
ADSL回線を利用するためには、インターネットを提供するプロバイダと回線を提供する回線事業者との契約が必要です。加えて、電気信号の変換を担うADSLモデムも必要になります。もし、モデムにスプリッター機能が備わっていない場合は、別途で外付けのスプリッターも必要になります。スプリッターとは、電話回線から送られる信号を低周波や高周波に分けたり、統合したりする装置です。周波数分波器やDSLフィルタとも呼ばれます。
必要なものがそろったら、音声信号とADSL信号に分けるため、電話線とスプリッターを接続します。次に、モデムにて電気信号をデジタル信号に変換するため、スプリッターとモデムもケーブルでつなぎます。最後に、モデムとPCをLANケーブルか無線でつなげることで、インターネット接続が可能となるのです。
ADSL回線の利用者数は、通信速度の遅さや外部からの影響の受けやすさといった弱点がネックとなり減少傾向が続き、NTT東日本および西日本からは、2024年3月にサービスを提供終了することが発表されています。かつては主流だったADSL回線ですが、現在ではほとんどの地域で新規サービスの提供が終了していることを把握しておくとよいでしょう。
光回線の種類

続いて、光回線の種類について解説します。ここでは、大きく「回線の提供方法」と「配線方式」に分けて説明します。
光回線の種類については、こちらの記事でも詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

光回線にも実は種類がある!それぞれの特徴について一覧で解説
①回線の提供方法(契約相手)
回線の提供方法(契約相手)は、3種類に大別されます。「フレッツ光」「ダークファイバー」「電力会社系」です。
フレッツ光は全国的に知名度が高く、また利用者数も多い光回線です。NTT東日本および西日本によって提供されています。
概ね全国的にインターネットを提供しているフレッツ光ですが、契約するにあたって把握しておくべき注意点があります。それは、「フレッツ光は光回線のみを提供している」という点です。
先述したように、インターネットを利用するためには光回線と、インターネットを提供するプロバイダの両方が必要になります。そのため、フレッツ光とあわせて、任意のプロバイダとも契約する必要があるのです。契約先が2カ所になり、利用料金も2カ所に対して支払うことになるため、契約情報や請求の管理が煩雑になる点、費用が割高になってしまう点がフレッツ光のデメリットといえるでしょう。
その点を解決できるのが、いわゆる「光コラボレーション」といわれる契約形態です。NTT東日本および西日本が提供している光回線を光コラボレーション事業者が借り受け、光コラボレーション事業者により光回線とプロバイダをセットで提供されるサービスを指します。利用者目線では、契約先が1事業者(光コラボレーション事業者のみ)に絞られるため、契約や支払の管理が楽になり、費用も安価に抑えられるメリットがあります。
次にダークファイバーについてですが、これは「フレッツ光で現状利用されていない光ファイバーを別の事業者に貸し出し、独自回線として提供されている」光回線のことを指します。auひかりとNUROの2サービスが、ダークファイバーに該当します。フレッツ光に比べて利用者数が少ないため、通信速度が速く、安定している点がメリットといえます。一方でダークファイバーのデメリットは、提供事業者が2社しか存在しないことから選択肢が少なく、提供エリアも限られている点が挙げられます。
電力会社系の回線は、その名の通り各電力会社が独自で提供している光回線サービスです。電力会社が電力サービスを提供するエリアのみで利用できるサービスではありますが、ダークファイバー同様に利用者数が少ないため、通信速度の速さと安定性には期待が持てます。電気の契約とセットでお得になるような独自のキャンペーンを行っていることが多い点も魅力のひとつです。
提供している電力会社とサービス名、および提供エリアは以下のとおりです。
電力会社 | サービス名 | 提供エリア |
---|---|---|
関西電力 | eo光 | 滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・福井 |
中部電力 | コミュファ光 | 愛知・岐阜・三重・静岡・長野 |
中国電力 | メガ・エッグ光 | 鳥取・島根・岡山・広島・山口 |
四国電力 | ピカラ光 | 香川・徳島・高知・愛媛 |
九州電力 | BBIQ光 | 福岡・長崎・佐賀・大分・熊本・宮崎・鹿児島 |
②配線方式
光配線を導入する場合は、戸建てと集合住宅(アパート・マンション)でその方式が異なります。ここでは集合住宅についてご紹介しましょう。マンションやアパートなどの集合住宅で光配線を導入する場合、配線方式は「光配線方式」「VDSL方式」「LAN配線方式」の3種類です。
光配線方式は、電柱から各部屋まで直接回線を引き込む形態で、3種類の配線方式の中で最も通信速度が速いとされています。
VDSL方式は、光回線を電柱から共有スペースまで引き込み、共有スペースからは電話回線を使用する形態です。時間帯や電磁波の影響などで混雑したり、通信速度が遅くなったりしやすい点がネックといえます。
LAN配線方式は、VDSL方式における電話回線がLANケーブルになった形態といえるでしょう。光配線方式とは異なり、集合住宅の入居者全員で同一の光回線を使用することになるため、通信速度の速さ・安定性ともに光配線方式よりも劣ります。また、他の2つの配線方式に比べて、LAN配線方式を導入しているケースは少ないのも特徴の1つです。
集合住宅における光回線の導入や配線方式については、こちらの記事でも解説しているのであわせてご覧ください。

光回線をマンションで使う方法は?確認方法、流れ、注意点を紹介
光回線なら@T COM(アットティーコム)ヒカリ
ここまで、光回線の仕組みについて紹介してきました。従来型であるADSL回線の新規サービス提供終了が迫る中、おすすめは通信速度が速く安定性も高い光回線です。
また、利用者目線で考えると、光回線とプロバイダがセットになった光コラボレーション型のサービスが最もおすすめといえるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、TOKAIコミュニケーションズが提供する「@T COM(アットティーコム)ヒカリ」です。@T COM(アットティーコム)ヒカリは、NTT東日本・西日本のフレッツ光回線を通してサービス提供を行っており、最大1Gbpsのインターネット回線を利用できます。また、一部のエリアでは10Gbpsのより高速なインターネット接続もご利用いただけます。
@ TCOM(アットティーコム)ヒカリについて詳しくはこちら最大10Gbps対応の @T COM(アットティーコム)ヒカリ10ギガはこちら
格安SIM LIBMOとのセット割で家のネット代を安く抑えられる
@T COM(アットティーコム)では格安SIMサービス「LIBMO(リブモ)」とのセット割対象サービスをご契約いただくことで、よりお得にサービスを利用可能です。
詳しくはこちらをご確認ください。
LIBMO×光セット割
まとめ
従来のADSL回線は、2024年3月をもって新規の受付を終了しており、一部地域についても2025年1月31日をもって受付を終了することがアナウンスされています。これからは光回線の利用がさらに拡大していくことが予想されるため、今一度、光回線とはどのような仕組みなのかを把握しておくのに越したことはないでしょう。
光回線を新たに契約する場合は、TOKAIコミュニケーションズが提供する「@T COM(アットティーコム)ヒカリ」をぜひご検討ください。
- 本記事の情報は2024年11月時点のデータに基づくものです。